企業側の事情を説明しますね。
就職活動生にエントリーしてもらうために、企業はどれくらいの費用と労力が必要だと思いますか?
エントリー者の母集団を増やすためには、
1. 就職活動生を惹きつける自社の採用ホームページを作る
2. 採用ホームページをより多くの人に見てもらうために、就職活動業者が行っている就職活動
のポータルサイトに広告を出す。
3. 就職活動業者のポータルサイトに登録している学生に広告E-mail を出す
4. 就職活動業者が主催する企業合同セミナーなどに参加する
5. 雑誌や書籍にインタビュー記事や広告を出す。
6. 大学で開催される会社説明会に参加する。
次にエントリーした就職活動生に対しては、
1. 自社で開催するセミナーのコンテンツを作りあげる
2. 自社のパンフレットやグッズなどの学生へのイメージアップ商品を作りあげる
3. セミナーなどのお知らせを、採用母集団にE-mail で告知する
4. セミナー参加、エントリーシート提出、筆記試験受験、面接合否などを一元管理するための管理サーバーとシステムを導入する。
ざっと書きますとこんな感じです。
E-mail 広告を出す、
書籍などに広告を出す、
採用母集団とホームページの管理サーバー、システムを導入する、
パンフレット・グッズなどの商品を作る、
セミナーコンテンツを作り上げる
などのことは、実はそれぞれ一つ一つに莫大な費用がかかっています。
あなたを含めた就職活動生のエントリー母集団を巨大化させていくために、このような莫大な費用を投資し、それぞれを作り上げていくためにたくさんの人手をかける。
とんでもない規模のお金が動いていることは容易に想像してもらえると思います。
つまり、就職活動業界はそれだけで、巨大なマーケットとして成立しているのです。
どのようなビジネスでも世の常ですが、マーケットの中では、「お金」と「ニーズ」と「ソリューション」が絡み合っています。
では、これだけの人手と費用をかけてでも達成したい、企業の目的・ニーズとは何なのか?
優秀な内定者を確保したいから。
ではないですよね。
ここまで説明した通り、人気企業ではそれは人手や費用をかけずに簡単に達成できますので、考えられないですよね。
この答えを理解することは、あなたが今いる就職活動業界全体を理解するために非常に重要なことです。
その理由は、
「企業広告」のためです。
非常に重要なことですので、もう一度言いますね。
企業にとって、就職活動の目的は、2つ。
1. 優秀な新卒学生を確保すること
と、それ以上に重要なことは、
2. 企業広告をすること
です。
あなたが、このことをしっかりと理解できれば、就職活動で起こる全てのイベントの目的や意図がわかりますし、もっと重要な点としては、あなたが今何をすべきなのか、ということがはっきり理解できることになります。
この就職活動を行っている世代の人、“就職活動生”に「企業広告」をしたい
という“企業”の強いニーズと、そのニーズに対してソリューションを提供できる存在としての“就職活動業者”が作りだす世界というのが、今の就職活動業界で、“就職活動マーケット”なのです。